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『ヒットするiPhoneアプリの作り方・売り方・育て方』 〜 全てのiOSアプリ開発者に必要な情報の塊

『ヒットするiPhoneアプリの作り方・売り方・育て方』を読みました。

ヒットするiPhoneアプリの作り方・売り方・育て方

ヒットするiPhoneアプリの作り方・売り方・育て方

 

「アプリをサクっとヒットさせて稼ぐ!」みたいな話ではなく、アプリを世に出すために必要な知識をガッチリ補強する内容でした。

開発者だけではなく、アプリを作る(作りたい)企業担当者・制作会社・趣味で開発してる人・エンジニア・デザイナー・マネージャー・プロデューサー・営業などなど、iOSアプリに関わるすべての人におすすめできます。
もしアプリ開発に関する知識が全くない人がいたら、一番最初におすすめします。

iPhoneアプリで稼ごう」より、今の時代に合った内容になっている。

前作「iPhoneアプリで稼ごう」も同じようなテーマについて書かれていますが、より今の時代に合わせた内容になっていたり、前著以降に変わった点(たとえばApp Storeの審査に関する点)が多く補足された内容になっています。
iPhoneアプリで稼ごう」を読んでいる場合は知識の補完とおさらいに、読んでいない場合はiOSアプリ開発に関する広い知識が手に入るようになっています。

制作進行のノウハウがぎっしり詰まっている。

趣味開発や「一山当てよう」開発でなく、実務で十二分に活用できるノウハウ・iOSアプリ開発をビジネスとして成立させるためのノウハウが詰まってます。
(たとえば見積もり時に提示するべき条件や、進行で気をつけること、UIで気をつけることなどなど。)

僕も制作会社でiOSアプリ開発に2〜3年携わっていたのですが、案件にアサインされる前に手元にあればどれだけ心強かっただろう…と思います。

受発注のノウハウが細かい。

おそらくアプリビジネスに関係する書籍で、ここまで書かれているものはたぶん無いと思います。

一例を挙げると、アプリは通常のシステム開発に比べて、要件定義が難しいです。
特にUI/UXなどはフィーリングで決まってくることも多く、機能要件が一通り実装できた後、テストの段階になって「ブラッシュアップ」という名目でUIまわりの修正の連続になることも少なくありません。

その場合を見越して、たとえばブラッシュアップ工数をあらかじめ見積りに含めておき、もしそれが余ればリリース直後の保守対応に工数を充てる、など、アプリ案件の受託をしてみないとわからないようなノウハウもしっかり解説されています。

その他にも、デザイナーと協業するときや、翻訳が発生するときなど、一般的なiOSアプリを作るときに遭遇しそうなポイントをしっかり押さえてくれています。

アプリの実例が多い。

実際に企業でアプリ制作に携わっている人にとっては、他のアプリの事例は色んな局面で良い材料になります。
たとえば、企画書を書くとき、類似アプリ・参考アプリとして挙げる。
たとえば、UIを考えているとき、秀逸なUIのアプリをいくつも集めて考える。

自分一人や少数の仲間で作るなら問題ないのですが、複数人(特にクライアントなど自社以外のメンバーが存在するとき)で開発する場合、他アプリの事例が説得材料としてあると割と強いです。

各項目、折にふれてアプリの紹介が出てくるので、目を向けてみるときっと役に立つと思います。

まとめ:ヒットするアプリを「作りきる」のは難しい

iOSアプリ(に関わらずスマートフォンアプリ)の開発は、関わる人間に多くのスキルを要求します。

リリース前は、納期に間に合うよう、情報を整理してゴールを満たせるアプリにする必要がある。
リリース後は、たくさん降り掛かってくる改善要望やバグの修正を整備し、アプリが果たす目的を満たしつづける必要がある。
UIはシビアに評価されるし、クラッシュしようものなら即「使えない!星1つ!」というレビューがつく。
OSは年々アップデートされ、リリースしたまま放置しているとどんどん陳腐化し、ユーザーは他のアプリに乗り移っていく。

すべてを上手く対応することはおそらく不可能に近いですが、それでも製品を成立させ目標を達成するために、本書はかなりの力を貸してくれると思います。